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2016/09/04
サンタベリー由来レスベラトロールが加齢による肌質低下に対する抑制効果の可能性 北海道薬科大学共同研究


 1.北欧の果実「サンタベリー」

 サンタベリーは、ツツジ科スノキ属の低木植物です。フィンランドなどの北欧の森に自生しており、8月の終わりから9月にかけて真っ赤な果実を実らせます。葉は、1年中濃い緑色をしており、表面はワックスで磨いたようなツヤがあることが特徴です。

サンタベリーは、ポリフェノールの一つであるトランス・レスベラトロールを豊富含む食品として知られています。これまでにレスベラトロールは、寿命延長効果などの報告がなされ、アンチエイジング効果が期待される成分です。


2.研究背景 ~肌の老化~

肌の健康を保ち、いつまでも若々しくあることは、女性が求め続けてきた永遠のテーマです。

しかしながら、加齢や紫外線の暴露などにより私たちの体内の抗酸化力が低下すると、肌のコラーゲンの高次構造は破綻し、皮膚の老化現象の一つである「たるみ」や「シミ」がひき起こされます。

肌の健康を保つためには、バランスの良い食事や規則正しい生活を送ることが何より不可欠です。また、食事から摂取する栄養素の中でもビタミンCを摂取することは、肌の健康を保つために重要であることが過去の多くの研究より明らかにされてきました。


ビタミンC合成が行えない“ビタミンCノックアウトマウス”は、ビタミンC不足により活性酸素の除去能力やコラーゲン合成能力が弱まるため、生体機能が正常に機能しなくなる老化モデルマウスとして研究に広く用いられてきました。

今回わたしたちは、トランス・レスベラトロールを豊富に含むサンタベリーエキスをビタミンCノックアウトマウスに摂取させることにより、主に皮膚の老化に対する効果に着目した研究を開始しました。

 【方法】

 ビタミンCノックアウトマウスを、①ビタミンC投与グループ、②ビタミンC非投与グループ、③ビタミンC非投与ですがサンタベリーエキスを0.6%含む食餌を自由摂取させたグループの3グループに分けました。試験開始から4週目、7週目にマウスから血漿を採取し、血中のAST(アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ)ALT(アラニンアミノトランスフェラーゼ)GLU(血中グルコース濃度:血糖値)、総コレステロール量、トリグリセリド、クレアチニン、ビタミンC量を測定しました。

 また、皮膚、肝臓、脾臓、腎臓を摘出し、ヘマトキシリン・エオジン(HE)にて組織を染色し、病理検査を実施しました。


【結果】

 本研究において、トランス・レスベラトロールを含むサンタベリーエキスを摂取させたマウスでは、生存率が高くなり、体重の減少が抑えられました。また、血漿中のAST、ALT、クレアチニンの上昇が抑制され、血漿中の抗酸化力の低下を抑制されることが分かりました。

 皮膚の組織染色においては、サンタベリーエキスを摂取したマウスは、皮膚の厚さの減少が抑えられました。さらにそのメカニズム解明を行った結果、サンタベリーエキスはコラーゲンを分解する酵素(MMP-1:マトリックスメタロプロテアーゼ-1)の活性や、糖化(皮膚の弾力の元になるタンパク質が糖と結合し、弾力性を失う原因となる反応)を濃度依存的に抑制することが分かりました。


 以上、本研究から、トランス・レスベラトロールを豊富に含むサンタベリーエキスの摂取は、体内において抗酸化能の亢進をもたらし、コラーゲンの産生及びコラーゲンの高次構造の維持に働く可能性が示されました。

 従って、サンタベリーのレスベラトロールを摂取することが皮膚のアンチエイジングに繋がる可能性が示されました。

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