みらい研究所の公式サイトです。わかさ生活が学会発表した研究論文や研究への取り組みなど、研究情報を紹介します。

お知らせ

2017/12/07
ビルベリーの糖尿病網膜症予防に対する可能性!

1.糖尿病網膜症とは?
糖尿病は近年増加傾向にあり、その罹患者の中で最も多くを占めるのが2型糖尿病であります。遺伝的要因、加齢のほか、過食、運動不足、肥満、そしてストレスなどの生活習慣が誘因となり発症するため「生活習慣病」といわれるが、血糖をコントロールすることで、確実に症状を改善することが可能であります。ところが、この疾患は自覚症状がなく進行することが多いため、重大な合併症をひきおこすことが大きな問題となっています。糖尿病網膜症は、糖尿病腎症・神経症とともに糖尿病の3大合併症のひとつで、成人の失明原因のひとつになっています。
糖尿病網膜症の早期に大きく関与しているのは、高血糖状態で引き起こる細胞内酸化ストレスであることが報告されており、これによって細胞死(傷害)が誘導されます。これが、糖尿病網膜症の初期病変です。

2.研究方法と結果
【方法】ヒト網膜色素上皮細胞由来細胞株(ARPE-19 細胞)を用いて実験を行いました。ビルベリー抽出物を投与した後に18 時間に塩化コバルト刺激を与えることで培養細胞を化学的低酸素状態とし、継時的に培養後、細胞を回収し解析を行いました。回収した細胞より核蛋白質を抽出し、低酸素誘導転写因子(HIF-1α)のDNA 結合活性を測定しました(ELISA 法)。また、抽出したRNA を半定量的Reverse
Transcription-PCR 法によりvegf mRNA 発現レベルを解析しました。
【結果と考察】
HIF-1αは、通常ユビキチン-プロテアソーム系により分解されているが、低酸素状態になると分解が阻害されます。分解されなかったHIF-1αは核内に移?した後にDNA 上の低酸素応答性領域に結合し、vegf をはじめとした様々な遺伝子の発現を促進します。ビルベリー抽出物投与により、塩化コバルト刺激により誘導されるHIF-1αのDNA 結合能は抑制されました(投与後4時間、8 時間)。また、塩化コバルト刺激30 時間後、ビルベリー抽出物はvegf mRNA 発現レベルを抑制しました。糖尿病性網膜症では、vegf はHIF-1αにより発現が促進される遺伝子のひとつであり、これにより脆弱な血管が新生し網膜症の発症起点となります。今回の結果より、ビルベリー抽出物はHIF-1αを介したvegf遺伝子発現誘導を抑制することで網膜血管新生を抑制し、糖尿病性網膜症の発症を予防し進行を抑える可能性が示唆されました。

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