紫外線は3月~4月ごろから急激に増え、8月にピークを迎えます。最近は、美肌・美白ブームで紫外線対策、日焼け対策を皆さん気にされていると思います。しかし、紫外線による被害は皮膚だけではありません。実は、無防備な目にも影響を与えているのです。
目は入ってくる光を感知し、その情報を脳に伝える大切な働きをもっています。しかし、他の臓器とは違い、唯一外部にさらされているため、直接的なダメージを受けやすい部分なのです。光とともに降り注ぐ紫外線が強すぎると角膜や白目を覆う結膜などにダメージを与えてしまいます。例えば、長時間日差しを浴びた時に目が赤くなったり、痛くなるのは紫外線による炎症が起きているからです。また、目のレンズの役割をしている水晶体は、たんぱく質繊維やヒアルロン酸(保水性分)から成り立っているのですが、これが紫外線によって傷ついてしまうのです。水晶体は、新陳代謝をしません。ですから、紫外線が当たり続けて傷がひどくなっていくと、水晶体が白く濁り、視力が低下する「白内障」などの病気にもつながりやすいのです。
紫外線とは、太陽光線の中で波長の短いものを指し、8月が1年のうちで最も強く、曇りの日でも晴れの日の50%ほどの量が降り注いでいるといわれています。太陽の光は、ビタミンDを作り出すなど体にとって必要なものですが、浴びすぎるとシミやしわ、目の病気の原因になってしまいます。普段からしっかり対策をしましょう!
紫外線から目を守るには、体内・体外どちらか一方だけでは不十分です。予防、そしてダメージを受けた後の体に潤いを与えてあげる必要があります。
●ルテイン
緑黄色野菜などに多く含まれ、紫外線などのダメージにより体内に発生する活性酸素を除去する作用があります。実は体内では、目の水晶体や黄斑部に主に存在します。 しかし、年齢や目を酷使することによってどんどん減少するうえ、体内では作られません。そのため、普段から積極的に食事などから補うことが大切です。
●ビタミン
ビタミンは体の調子を整えたり、病気に対する抵抗力を強める働きがあります。ビタミンC、ビタミンE、β-カロテン、ビタミンB2、ナイアシンをバランスよく摂取することが目の健康のために役立ちます。
●ミネラル
人間の体のミネラルの割合はわずか4%。しかし、このわずかなミネラルが他の栄養素の働きをサポートし、体全体がうまく機能するように作用しているのです。このミネラルが不足してしまうと、他の栄養素はきちんと効果を発揮することができなくなります。また、目や体の老化の原因となる活性酸素に対しても、重要な役割を果たしています。
●アスタキサンチン
紫外線を浴びた体にはビタミンCやビタミンEが良いと言われていますが、最近注目を浴びているのがアスタキサンチンです。紫外線によりできる活性酸素と戦うパワーが強く、そのパワーはビタミンEの約1000倍と言われています。
●日傘をさす
日傘で紫外線対策。白よりも黒っぽいものの方がより効果的です。
●帽子をかぶる
顔や首筋を守るだけでなく、帽子は目に入る紫外線を約30%防いでくれます。
●サングラスをかける
顔に密着したもの、UVカット率の高い色の薄いものを選ぶことをおすすめします。また、色の濃いものの方が紫外線を防げるように思いがちですが、瞳孔が開くために目にたくさんの紫外線が入ってしまうため、薄いものを選びましょう。
●目のケアをする
強い日差しを浴びたり、目を酷使した後には目を冷やしたり、目薬などでケアをしてあげましょう。
●日陰に入る
簡単なことですが、それだけで日なたに比べて半分近い紫外線を防ぐことができます。
近年、オゾン層の破壊により、地上へ降り注ぐ紫外線量が増えています。紫外線の強いこの季節、紫外線から目や体を守って健康を守りましょう。