網膜剥離は、眼球の網膜が眼底からはがれてしまう病気です。
目をカメラに例えると、フィルムに当たるのが網膜です。
破れた品質の悪いフィルムではきれいな写真が撮れないように、
網膜が破れて剥がれると、視野や視力が悪くなります。
網膜に亀裂やあな裂孔(れっこう)ができて、網膜がはがれてしまうのが主な原因です。
特に20歳代と50歳代の人に多く、原因も異なります。
近視の強い人は目の奥行きが人よりも長いので、網膜が薄くなります。
薄い網膜が萎縮(いしゅく)すると、円孔(えんこう)という丸い裂孔ができることがあります。
また、スポーツなどで目に強い打撲を受けると、眼球が急激に変化して網膜裂孔ができます。
眼球の内部は硝子体というゼリー状の組織で満たされています。
しかし年齢と共に弾力を失い、硝子体の中に空洞ができ、すき間ができます(液化変性)。
縮んだ硝子体に引っ張られて、網膜が引き裂かれると、網膜裂孔ができます。
いったん起こった網膜剥離は、時間と共に拡大し、また剥離した網膜には栄養が届かないために細胞の機能が失われ、失明に至ることもあります。近年は治療が発達し、治癒率は高まっています。治療率を高めるには早期治療が重要なので、異和感がある場合はすぐに眼科を受診してください。
●こんな症状に思い当たる人がいれば、検査を受けましょう
網膜剥離の手術では、約95%の方がもとの状態に戻すことができるといいます。手術前後は絶対安静にして、傷が再度開かないように注意しましょう!