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2016/10/11
ブルーライトを発するLED(発光ダイオード)が網膜細胞に及ぼす影響を解明! 岐阜薬科大学共同研究

○ブルーライトが人体に及ぼす影響 ~網膜疾患との関連性~
私たちの目は、太陽光やパソコン、携帯端末機器など日夜を問わず大量の光を受けています。中でも近年増えつつある、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)を光源とした液晶モニター機器や照明などから青色光(ブルーライト)は多く発せられています。ブルーライトは人体に対し、眼精疲労や生活リズムの変調をきたすことが知られています。また、紫外線と同じく網膜や黄斑部にダメージをあたえ、網膜疾患や加齢黄斑変性症を引き起こす原因の1つと考えられています。
加齢黄斑変性症は、欧米の失明原因第1位の疾患ですが、日本国内では第4位で、近年の高齢化や食の欧米化に伴い患者数が増えつつあり、現在では50歳以上の成人約1%にこの症状が認められています(日本眼科学会HP「加齢黄斑変性」より)。加齢に伴って生じる老廃物や、酸化ストレスによるダメージが黄斑部や網膜へ蓄積した結果、様々な目の問題を引き起こします。
ブルーライトは、黄斑や網膜に酸化ストレスを引き起こし、老廃物の蓄積を促進させることで網膜疾患や加齢黄斑変性症の発症を早めることが知られています。そのため、ブルーライトによる網膜のダメージを軽減することは、目の健康維持にとって重要な意味を持っています。

○研究の概要および結果
網膜視細胞(光受容体)を用いたin vitro試験を行い、ブルーライトにより引き起こされる細胞障害において、細胞内で起こっている障害機構について検討致しました。

【方法】本実験では、マウス網膜視細胞(661W cell)を用いて試験を行いました。暗所にて細胞を培養し、培養中の網膜視細胞にブルーライト(青色LED:約430 nmの波長)を照射することで、細胞障害を引き起こしました。

【結果】網膜視細胞にブルーライトを照射することで引き起こされる細胞障害は、視細胞内に存在する光受容タンパク質の異常凝集を引き起こし、また、細胞のタンパク質合成工場である小胞体におけるストレスを誘発することが示されました。また、ブルーライト照射によって凝集するたんぱく質をノックダウンすることでブルーライト照射によって引き起こされた細胞障害が軽減されました。
本研究の結果は、今後の目のブルーライト対策に必要な意義深い研究と考えられます。

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