株式会社わかさ生活(本社:京都市下京区)は、北欧産野生種「サンタベリー(※1)」の機能性について研究を続けてまいりました。この度、岡山理科大学 安藤 秀哉(あんどう ひでや)教授との共同研究『レスベラトロール含有サンタベリーエキスの培養ヒトメラノサイトに及ぼす影響』を、石川県金沢市で開催された日本薬学会第138年会にて2018年3月28日(水)にポスター発表いたしました。
わかさ生活は北欧産野生種ブルーベリー「ビルベリー」に関する目の研究と共に、同じ北欧産野生種「サンタベリー」の機能性について研究を続けてまいりました。サンタベリーは北欧の森に自生する赤色の果実で、ポリフェノールの一種であるレスベラトロール(※2)を多く含んでいます。
今回は、肌で起こる白斑の原因解明ならびにサンタベリーのレスベラトロールによる予防効果について研究を行いました。その結果、サンタベリーエキス及びレスベラトロールは、肌のシミを防ぐ働きだけでなく、加齢や酸化ストレスにより起こる色素細胞(メラノサイト)の異常を妨げることが分かりました。
≪研究背景≫
肌は、メラニン色素沈着によるシミの形成を美容の観点で問題視する一方で、メラニン色素が正常につくられない症状「白斑」もまた防ぐことが求められています。白斑は世界的には有病率が約0.5~1.0%であるといわれており、日本全国262施設の新患数は912,000名/年といわれています(2009年 厚生労働省の研究班データより)。白斑は肌のメラノサイトの減少やメラニン合成機能に異常が生じて引き起こされますが、それらは肌細胞自体の老化や薬剤・化学物質による影響、感染症、あるいは加齢に伴い増加する酸化ストレスにより肌本来の防御機能が低下することも原因として知られています。 本研究では、白斑患者より採取したメラノサイトを用いて、白斑の原因解明ならびにサンタベリーのレスベラトロールによる予防効果を調べました。
≪方法≫
培養ヒト正常メラノサイトにサンタベリーエキスまたはレスベラトロール(trans-resveratrol)を添加し、メラニン生成量の変化を評価しました。また、白斑患者の白斑周辺部から得られたメラノサイト(白斑周辺メラノサイト。臨床的には色素生成は正常に行われる)に対しても同様にサンタベリーエキスとレスベラトロールにて処理し、白斑周辺メラノサイトの細胞質内に認められた多数の空砲や、空砲により膨潤した白斑周辺メラノサイトの特徴的な紡錘状形態に与える効果を観察しました。
≪結果≫
サンタベリーエキス、またはレスベラトロールは共に培養ヒト正常メラノサイトのメラニン生成を抑えました。また、白斑患者から採取した白斑周辺メラノサイトは、徐々に細胞質内に空胞が増え、膨潤した紡錘状形態へと細胞が変化していくのに対し、サンタベリーエキスまたはレスベラトロールを白斑周辺メラノサイトへ事前に加えることで、細胞質内の空胞形成や形態異常が抑えられ、正常なメラノサイトに近い細胞形状を保てることが分かりました。白斑周辺メラノサイトは、生体内で高濃度の過酸化水素(H2O2)が存在すると同時に、カタラーゼ(catalase:抗酸化酵素)の活性が低下していることが知られています。そのため、酸化ストレスに長時間さらされることで、メラニン生成機能は維持されていても、正常な細胞構造を保てなくなることが明らかになりました。しかし、サンタベリーエキスまたはレスベラトロールを添加することで、メラノサイトの抗酸化能が改善され、細胞の形態異常が抑えられたと考えられます。
サンタベリーエキスとレスベラトロールは、メラニン生成抑制作用により肌のシミを防ぐだけでなく、加齢や酸化ストレスによって起こるメラノサイトの異常を防ぐことから、今後も抗老化作用や白斑の予防、治療効果に期待がかかります。
【関連サイト】
・わかさの秘密「サンタベリー」
http://www.wakasanohimitsu.jp/seibun/santa-berry/
・わかさの秘密「レスベラトロール」
http://www.wakasanohimitsu.jp/seibun/resveratrol/
・わかさ生活コーポレートサイト
http://company.wakasa.jp/
・レスベラトロール研究会
https://www.resveratrol-labo.jp/